■2025年学習ポイントと参加者の感想
New●読書会――2025年5月17日
スピリチュアリズムの思想[Ⅲ]――“霊的人生論”
思想[Ⅲ]は、霊的成長と信仰の観点(実践軸)からの思想体系
・スピリチュアリズムの思想[Ⅲ]では、霊界から示された霊的知識を「霊的成長」に結びつけるための実践という観点から整理・体系化しています。したがって思想[Ⅲ]は、「霊的真理の実践論(霊的人生論)」ということです。
・スピリチュアリズムの霊的知識は、地上人がそれを実践に移して霊的成長を達成するために霊界から与えられたものです。
・「霊的真理の忠実な実践こそが正しい信仰であり、地上人としての正しい生き方である」ということです。
1.霊的人生とは……スピリチュアリズムの霊的真理を実践する生き方➡
(2)スピリチュアリズム人生とは“霊的人生”のこと
スピリチュアリズム人生 = 霊的人生(地上にいながら霊界人に近い歩みをすること)
・霊的真理を忠実に実践する生き方
・霊的真理に基づく信仰生活
・神の摂理に一致して霊的成長をする道
・神に近づき本当の幸福に至る道
(3)霊的真理の実践が、スピリチュアリストの真偽を決定
1)スピリチュアリストとしての資格――「霊的真理」にそった実践的生き方
「大切なのは行いです。行為です。つまり各人の毎日の“生活”そのものです。」〈シルバーバーチの霊訓(3)〉P.71
「神を信じない人でも霊格の高い人がおり、信心深い人でも霊格の低い人がいます。霊格の高さは信仰心の多寡(たか)で測れるものではありません。行為によって測るべきです。」〈霊的新時代の到来〉P.152
「要はその人が生きてきた人生の中身、つまりどれだけ人のために尽くしたか、内部の神性をどれだけ発揮したかにかかっています。大切なのはそれだけです。知識は、ないよりはあるに越したことはありません。が、その人の真価は毎日をどう生きたかに尽きます。」〈シルバーバーチは語る〉P.219
2)口先だけ・言葉だけのスピリチュアリストにならない――スピリチュアリストは徹底した実践主義者であるべき
3)実践の努力なくして価値あるもの(霊的宝)を手にすることはできない――スピリチュアリストは真摯な努力主義者であるべき
「苦難や障害に立ち向かった者が、気楽な人生を送っている者よりも大きく力強く成長していくということは、それこそ真の意味でのご利益と言わなければなりません。」〈シルバーバーチの(1)〉P.57
「価値ある賞ほど手に入れるのが困難なのです。容易にもらえるものはもらう価値はないことになります。簡単に達成したものほど忘れやすいものです。内部の神性の開発は達成困難なものの中でも最も困難なものです。」〈シルバーバーチの霊訓(1)〉P.71
「魂の宝はそうやすやすと手に入るものではありません。もしも楽に手に入るものであれば、なにも、苦労する必要などないでしょう。痛みと苦しみの最中にある時はなかなかその得心がいかないものですが、必死に努力し苦しんでいる時こそ、魂にとっていちばんの薬なのです。」〈シルバーバーチの霊訓(1)〉P.52
「もしも私の説く真理を聞くことによって楽な人生を送れるようになったとしたら、それは私が神から授かった使命に背いたことになります。私どもは人生の悩みや苦しみを避けて通る方法をお教えしているのではありません。それに敢然と立ち向かい、それを克服し、そしていっそう力強い人間となってくださることが私どもの真の目的なのです。」〈シルバーバーチの霊訓(1)〉P.52
(4)霊的人生の具体的な実践項目――霊的真理に基づく実践内容の概要
1)最も重要な「3つの柱」と「基本的な実践4項目」
2)実践力を強化し、より高い霊的人生を歩むための「3つの心がまえ」と「祈り」
3)利他愛実践の延長としての「サークルづくり」と「霊性教育」
4)「理想を目指しての内面の闘い」と「妨害勢力との対外的な戦い」
2.霊的人生を送るための実践項目〈1〉……霊優位の努力➡
・霊的人生を送るための第一の実践項目は、「霊優位の努力」
(1)霊優位(霊主肉従)と肉優位(肉主霊従)
「人間には神性が宿っていると同時に、動物進化の名残としての獣性もあります。人間としての向上進化というのは、その獣性を抑制し神性をより多く発揮できるようになることです。」〈シルバーバーチの霊訓(11)〉P.185
(2)宗教における修行の本来の目的と意義――「霊優位」の状態の確立
(3)スピリチュアリズム人生の第一歩は、霊優位のための闘いから
「霊が主人で物は従僕です。つねに霊に係わることを優先させなさい。」〈シルバーバーチの霊訓(12)〉P.231
「残念ながら大部分の地上の人間においては、その霊があまりに奥に押し込められ、芽を出す機会がなく、潜在的な状態のままに放置されております。これではよほどの努力をしないかぎり覚醒は得られません。」〈シルバーバーチの霊訓(1)〉P.99
「霊的知識を有する者はそれを正しく運用して、物的要素に偏らないようにならなければなりません。霊的要素の方に比重を置かなければいけないということです。」〈シルバーバーチの霊訓(1)〉P.74
1)スピリチュアリズムの実践の第一歩
2)厳しい霊主肉従の闘い
3)神によって肉体が与えられたことの意味(肉体付与の意義)
4)霊的成長は、「霊主肉従」と「肉主霊従」の間を行き来しつつ達成されるもの
(4)霊優位のための具体的な実践内容
1)スピリチュアリズムは、厳格な欲望抑制主義
「大方の人間のしていることをご覧になれば、身体の必要性にばかりこだわって、精神ならびに霊の必要性に無関心すぎるという、私の持論に賛成していただけると思います。身体へ向けている関心の何分の一かでも霊の方へ向けてくだされば、世の中は今よりずっと住みよくなるでしょう。」〈霊的新時代の到来〉P.197
「私は決して肉体ならびにその必要品をおろそかにしてよろしいと言っているのではありません。肉体は霊の大切な道具ではありませんか。肉体的本性が要求するものを無視するように、と勧めているのではありません。一人でも多くの人に、正しい視野を持っていただき、自分自身の本当の姿を見つめるようになっていただきたいのです。自分というものを肉体だけの存在、あるいは、せいぜい、霊をそなえた肉体だと思い込んでいる人が、まだまだ多すぎます。本当は肉体をそなえた霊的存在なのです。それとこれとでは、大違いです。」〈霊的新時代の到来〉P.198
2)肉体本能からの3つの欲望
地上の人間に付きまとい、霊的歩みを妨げることになる肉体的・本能的欲望とは――「金銭欲・物欲」「性欲」「名誉欲・支配欲(権勢欲)」の3つ
3)健全な禁欲主義的生き方
①質素な生活――「生活できればそれでよし」といったところで線を引く
・“衣食住”に意識と生活が翻弄されているうちは、霊的成長をすることはできない
「一般的に言って人間は、肉体にかかわることはおろそかにしておりません。むしろ甘やかしすぎです。必要以上のものを与えています。(中略)肉体にとってなくてはならぬものと言えば、光と空気と食べ物と運動と住居くらいのものです。衣服もそんなにあれこれと必要なものではありません。慣習上、必要品となっているだけです。」〈霊的新時代の到来〉P.198
「霊的知識を有する者はそれを正しく運用して、物的要素に偏らないようにならなければなりません。霊的要素の方に比重を置かなければいけないということです。正しい視野に立って考察すれば、焦点を正しく定めれば、日常生活での心の姿勢さえ正しければ、物的要素に対して最少限度の考慮を払い、決して偏ることはないでしょう。」〈シルバーバーチの霊訓(1)〉P.74
②貞節を守る生活
③謙虚な道具意識を持った生活
まとめ
「精神的にも霊的にも自己を厳しく修養し、生活のすべての側面を折目正しく規制し、自分は本来は霊であるという意識をもって、行動のすべてに霊の優位性を反映させなさい。霊の優位性の自覚にもとづく修養的生活――これが最高の生き方です。」〈地上人類への最高の福音〉P.243
(5)「霊優位の闘い」における霊的武器
霊的真理
祈り
スピリチュアリストとの霊的交わり(読書会など)
●読書会――2025年4月19日
スピリチュアリズムの思想体系[Ⅱ]……水平軸(人間を取り巻く世界〈神・霊界・地上界〉を中心に真理を整理)
◎地上世界観
暗黒の地上世界――地上世界を覆う悲劇とその原因➡
(6)地上世界の悲劇〈3〉――間違った宗教がつくり出す魂の牢獄➡
1)本来の使命を果たせなかった地上の宗教
・宗教は本来、人類に霊的真理を示して霊的人生を歩ませ、霊的成長をもたらすことが目的
・宗教の役割は――「地上人類に利他的な生き方(サービス)を教えて霊的成長を促す」という一言に言い尽くされる
・これまで地球上に存在してきたほとんどの宗教は“失格”
・人類の霊的成長に全く役に立っていないどころか、反対に霊的成長の道を妨げてきた
・霊界から見ると地球上の大半の宗教は、「人間を大霊と結びつける」という大切な目的を果たしていない
・人々に憎しみや迷信を植えつけて仲違いさせ、大霊との距離を広げてきた(戦争という悲劇を引き起こす張本人)
・これまでの宗教は、天国ではなく地獄へと人々を向かわせてきたのです。
「肝心な宗教としての機能を果しておりません。本当の宗教とは大霊との絆を結んでくれるものでなければなりません。なのに、この国の宗教はもはやその役目を果たしておりません。かつては基盤となっていたインスピレーションはとっくの昔に教会から追い出され、代わって教義と信条とドグマと儀式のみが残っております。こうしたものは宗教とは何の関わりもないものばかりです。大霊に近づけるという宗教の本来の目的には何の役にも立たないからです。」『古代霊シルバーバーチ 最後の啓示』P.144
「地上界は、互いに奉仕し合うことによって成り立つような生活形態を目指さないといけません。それは本当はいたって簡単なことなのですが、なぜかそれが難しい形態となっております。その元凶が実は組織宗教なのです。」〈シルバーバーチは語る〉P.147
2)宗教による魂の支配と霊的牢獄
①人工的な間違った教義が、人々を霊的牢獄の中に閉じ込め、霊的真理を受け入れる道を閉ざす。(霊的牢獄化)
②人工的な間違った教義が、人々の心に独善性・偏狭性・憎しみ・排他性を植えつけて利己愛を増幅させ、霊的成長を阻害する。(霊的成長の阻害)
③人工的な間違った教義が、異なる宗教との間に対立を発生させ、戦争を引き起こす。(戦争・紛争の原因)
④人工的な間違った教義に基づく狂信が死後にも持ち越され、霊界下層に多くの狂信的地縛霊を生み出し、暗黒の地獄状況をつくり出す。そして霊界の人々に、地縛霊のケアのために多大な負担と苦労をかける。(狂信的地縛霊を生み出す)
「地上にはこれまであまりに永い間、あまりに多くの世俗的宗教が存在し、それぞれに異なった教えを説いております。しかしその宗教が最も大事にしてきたものは実質的には何の価値もありません。過去において流血、虐待、手足の切断、火刑といった狂気の沙汰まで生んだ教義・信条への忠誠心は、人間の霊性を1インチたりとも増しておりません。逆に、いたずらに人類を分裂させ、障壁をこしらえ、国家間、はては家族間にも無用の対立関係を生みました。論争の原因ともなっております。分裂と不和を助長することばかり行ってきました。神の子等を一つに結びつけることに失敗しております。」〈シルバーバーチの霊訓(4)〉P.216~217
「教義による束縛は地上世界の苦痛のタネの一つです。伝染病や不健康より厄介です。病気による身体上の苦痛よりはるかにタチが悪いものです。なぜなら、それは魂の病気だからです。霊に目隠しをしてしまうのです。」〈霊性進化の道しるべ〉P.135
3)宗教エゴが生み出すさまざまな悲劇
4)スピリチュアリズムの「霊的真理の普及」による間違った宗教の一掃
スピリチュアリズムという霊界主導の「霊的真理の普及計画」は、地上から間違った宗教を消滅させ、人類を霊的弊害から解放し、宗教による戦争を根絶する
「既成宗教のドグマや信条から精神を解放する必要があります。(中略)これまで何千年もの長きにわたって地上人類を縛りつけてきた教条やドグマをめぐる戦争や論争や不和を止めにしなくてはいけません。」〈シルバーバーチは語る〉P.47
(7)地上世界の悲劇〈4〉――精神の堕落・退廃➡
(8)地上世界の悲劇〈5〉――動物虐待・自然破➡
(9)地上の悲劇が招く“霊界の悲劇”➡
(10)スピリチュアリズムによる「地球人類救済活動」――霊的真理の普及による悲劇の追放➡
・地球人類の力だけでは無理
・「霊的真理」によってのみ“悲劇”は解決する
「大切なのは、地上界のように錯覚によって惑わされることのない、霊の世界からの真理です。なぜかと言えば、あまりに多くの落伍者、精神的浮浪者のような人間が霊界へ送り込まれる一方で、一見立派そうな人間が、霊的事実についての誤った概念と偏見のために、死後に直面する生活に何一つ備えができていないというケースがあまりに多すぎる現実を見て、私たちは、いずれ誰もが訪れる永続的な実在の世界、すなわち死後の生活に備えるために、単純な真理を地上にいる間に知ってもらえば、私たちの手間も大いに省けるだろうと考えたのです。」〈古代霊シルバーバーチ 不滅の真理〉P.133~134
・二度と閉じられることのない扉が開かれた
「地上とのコミュニケーションの橋をかける仕事がかつてなく組織的となり、二度と地上世界がチャンネル(霊媒・霊能者)の不足から霊界と絶縁状態とならないよう、入念な計画が練られ、そして実行に移されているということです。」〈地上人類への最高の福音〉P.101
「(これまで)一時的にインスピレーションがあふれ出たことはありますが、長続きしていません。このたびのコミュニケーションは組織的であり、協調的であり、管理・監督が行き届いており、規律があります。一大計画の一部として行われており、その計画の推進は、皆さんの想像も及ばないほどの協調体制で行われております。背後の組織は途方もなく巨大であり、細かいところまで見事な配慮がなされております。すべてに計画性があります。そうした計画のもとに霊界の扉が開かれたのです。このたび開かれた扉は二度と閉じられることはありません。」〈地上人類への最高の福音〉P.103
・すでに根付いている新しい世界
「基盤はすでにでき上がっているのです。何年も前から、その基盤づくりはこちらの世界で終わっているのです。(中略) 新しい世界はかならず実現します。」〈不滅の真理〉P.127
「間違いなく言えることは、その新しい世界の種子がすでに地上界に根づいているということです。」〈シルバーバーチは語る〉P.66
・スピリチュアリズムの霊的真理による地上人類救済のプロセスの全体図
●読書会――2025年3月15日
スピリチュアリズムの思想体系[Ⅱ]……水平軸(人間を取り巻く世界〈神・霊界・地上界〉を中心に真理を整理)
◎地上世界観
暗黒の地上世界――地上世界を覆う悲劇とその原因➡
(4)地上世界の悲劇〈1〉戦争➡
1)戦争という悲劇
・動物にも劣る人間の戦争行為
動物の世界では、同種間での殺し合いはない。ところが人間の世界では、目を覆いたくなるような残虐な殺戮(さつりく)が繰り返され、人間だけが殺し合いをしている
・なぜ戦争は罪なのか?
・誰もが当たり前に分かっているようで、実際には大半の人間が戦争の問題の本質を正しく理解していない
・その本質とは――「なぜ人殺しは罪なのか?」ということ
・多くの人々は、「戦争」は人間の肉体生命を奪うために“悪”であると思っている
・“戦争反対”を叫ぶ大半の人々は、動物の生命も神が与えたものであり、人間のものではないことに思いが至っていない
・霊的観点から言えば、動物を殺して食料にすることは、ある意味で戦争における“人殺し”と同じ残酷な行為
・人間の生命を奪うことは悪であるが、動物の生命を奪うことは許されるという考えは間違い
・現在、地球人類が行っている動物に対する残虐行為を正当化し、“肉食”を平気でしているような人間には、“戦争反対”を叫ぶ資格はない
*霊界側にも大きな悲劇を生み出している戦争
「戦争を正当化することは、地上界の問題に限って考えても、できません。ただ破壊するだけだからです。ましてや霊界側へ及ぼす影響を考えた時、絶対に正当化できません。霊は地上界を離れるべき時期が熟した時に肉体から離れるべきであるという摂理に反したことを無差別に行うことになるからです。大霊の子がよくぞあれほど大規模に大霊の摂理を平気で犯すものと、私たちは呆れるばかりです。実は地上界のそうした愚かな行為が、霊界の無知な低級霊集団を跋扈(ばっこ)させることになることを、皆さんはご存じありません。彼らは進歩と平和と調和を憎み、組織的な態勢で邪魔立てしようと画策しているのです。」〈シルバーバーチは語る〉P.295
2)戦争の原因
・戦争の根本的な原因は、“霊的同胞意識”と“霊的絆”の欠如
・物質中心主義」と「利己主義」が引き起こす戦争
・地球上の戦争の主役となる3つのエゴ集団――民族・国家・宗教
・多民族と多宗教の融和の難しさ
・極度の貧困と飢餓が、戦争の大きな引き金
3)真の反戦平和運動とは
*スピリチュアリズムこそが「真の反戦平和運動」
「これ(戦争)を阻止するためには民族的対立をなくし、地上人類のすべてが大霊の子であるとの認識を持つことです。対立を生んでいるのは地上的概念であって、大霊は何も差別をしておりません。民族の別なくすべての人類に大霊の分霊が宿っており、それ故に全人類が等しく大霊の子なのです。地上世界には建設すべきものが幾らでもあるというのに、指導的立場にある人たちはなぜ破壊という手段を選ぶのでしょうか。大霊の摂理にもとることをしていては、破壊と混乱を生むだけです。人類はもう十分にそれを見てきたのではないでしょうか。」〈シルバーバーチは語る〉P.295~296
「国家とか民族とかで差別してはいけません。いずれの国家も民族も大霊の一部なのです。みな大霊の目から見れば兄弟であり姉妹なのです。こうした私たちの教えは単純で子供騙しのように思えるかもしれませんが、やはり真実です。大霊の摂理を基盤としているからです。摂理を無視して地上界を築こうとしても、混乱と騒動が起きるばかりで、最後はすべてが破綻します。(中略)愛が欲しければ愛のタネを蒔くことです。平和が欲しければ平和のタネを蒔くことです。至るところに奉仕のタネを蒔けば、地上世界は奉仕の精神に溢れることでしょう。大霊の真理はこのように至って単純なのです。あまりに単純過ぎるために却って地上の「お偉い方々」には、その重大性がお分かりにならないのです。」〈シルバーバーチは語る〉P.297~298
「真の平和は霊的摂理を適用する以外にないということを、地球人類はいつになったら悟るのでしょうか。戦争はもとより、それが生み出す流血、悲劇、混沌、破綻といったものの元凶は「利己主義」なのです。その利己主義に代わってお互いが奉仕的精神を抱き合うことによって初めて平和が訪れること、自国の物的威力を誇示しようとする古い唯物思想を捨て、代わって互いが互いのために生き、強い者が弱い者を助け、持てる者が持たざる者を援助しようとする気風になることによってのみ、平和が訪れることを知らねばなりません。(中略)平和へ向けていろいろと努力が為されながら、ことごとく失敗しております。が、唯一試みられていないのは、霊的真理の理解による方法です。それが為されないかぎり、戦争と流血が止むことはないでしょうし、ついには人類が誇りに思っている物質文明も破綻をきたすことでしょう。」〈シルバーバーチは語る〉P.308~309
(5)地上世界の悲劇〈2〉貧困・飢餓➡
戦争に次ぐ2つ目の悲劇は、「貧困」と「飢餓」
・貧困・飢餓も、すべて地球人類の霊的無知による「物質中心主義」と「利己主義」から発生している
・飢餓は21世紀の地球上、特に発展途上国における飢餓の大半は、人間の“エゴ”によって引き起こされている
現在の飢餓は、まさに“人災”であって、従来の自然災害とは規模においても悲惨さにおいても比較にならない
1)極度の貧困と飢餓という悲劇
*高級霊の嘆き
「今、地上全体には(中略)どこから手をつけたらよいか分からないほど沢山の、悪疫ともいうべき文明の汚点が存在するからです。しかし、その中でもいちばん急を要する改善は、私に言わせれば、数え切れないほどの人間を苦しめている無くもがなの貧困、悲惨、窮乏です。(中略)内部の神性を発揮しようにも、肝心の身体が惨めなほど疲弊し衰弱している魂に対して、いったい自我の発見などということが説けるでしょうか。」〈霊性進化の道しるべ〉P.208~209
*地球規模の極端な貧富の格差
「全体としては十分なものが用意されているのに、物的生活の基本的必需品にも事欠く人がいるということは間違ったことです。有り余るほど持っている者と不足している人たちとの間の隔差を修正すること、これこそが現在の地上の焦眉の急です。」〈霊性進化の道しるべ〉P.209
2)地球規模の飢餓発生の原因
*大地の恵みの不平等分配が「飢餓」を発生させている
「地上にはすべての人に行きわたるだけのものが用意されているのです。しかし、そこに貪欲が立ちはだかります。」〈霊性進化の道しるべ〉P.169
「何よりもまず人類が知らなくてはならないのは、大霊の恩寵はみんなで分け合わなくてはいけないということです。現在の地上には今日の食べものに事欠く人がいる一方で、有り余るほど貯えている人がいます。もちろんこれは間違っています。余るほど持っている人は足らない人に分けてあげなくてはいけません。別に難しいことではないと思うのですが……。」〈シルバーバーチは語る〉P.68
「大霊の心(利他愛)が顕現して互いに助け合う風潮になれば、平和と調和が生まれ、生きるための糧も必要な分だけ行きわたります。」〈シルバーバーチは語る〉P.297
・“肉食”という贅沢が招く飢餓
・飢餓を発生させるエゴ的農業生産システム
・飢餓の加害者となっている先進諸国の人々
3)「飢餓の問題」の解決方法
・霊的真理による人類の“魂の革命”こそが唯一の方法
4)現代のグローバル経済が生み出す先進国内での極度の貧困
・“グローバル経済”という最も利己的な資本主義の登場
●読書会――2025年2月15日
スピリチュアリズムの思想体系[Ⅱ]……水平軸(人間を取り巻く世界を中心に真理を整理)
◎地上世界観
(1)物質世界の本質と真相を理解する方法とは――霊界から地上世界を見て、2つの世界を比較する
*霊的次元からのアプローチ
・物質世界の本質・真相を理解するための画期的な方法とは、物質世界を物質次元から見るのではなく、より高い霊的次元から眺め観察する
・物質世界の本質的理解は、同じ物質次元からのアプローチでは不可能
・より高い霊的次元からの包括的アプローチによって初めて可能となる
・霊界から地上世界の全体を眺めることによって、すなわち霊的視点に立つことによって、地上世界と地上人の真相・実態が明らかになる
*霊界通信によって明らかにされる地上世界と地上人の真相
・スピリチュアリズムでは、霊界通信を通して霊界から地上界に膨大な霊的知識がもたらされました。そこには霊界人が観察した、地上世界と地上人に関する数多くの見解・知見が示されています。こうした霊界人の観察結果と知見が、地上世界と地上人の本質を明らかにしています。
*霊界と地上世界との比較
・地上世界と地上人の本質・真相を明らかにする「霊的視点に立った方法」とは、霊界から地上を観察し、霊界と地上世界とを比較することです。これこそが、地上世界と地上人の本質を最も深く理解する方法なのです。霊界と地上世界、霊界人と地上人を比較することで、地上世界と地上人の本質・特徴がはっきりと示されるようになります。
(2)光り輝く明るい霊界と、悲劇が蔓延する暗黒の地上世界
「光もなく活気もなく、うっとうしくて単調で、生命力に欠けています。たとえてみれば弾力性のなくなったヨレヨレのクッションのような感じで、何もかもだらしなく感じられます。どこもかしこも陰気でいけません。したがって当然、生きるよろこびに溢れている人はほとんど見当らず、どこを見渡しても絶望と無関心ばかりです。(中略)この地上に見る世界は幸せがあるべきところに不幸があり、光があるべきところに暗闇があり、満たされるべき人々が飢えに苦しんでおります。」〈霊的新時代の到来〉P.96
「私たちの心にあるものは、嘆き悲しんでいる人々、疑念と恐怖にさいなまれている人々のことばかりです。そういう人たちの人生に少しでも安らぎを与えてあげるものをお届けしないことには、私たちの心も安まらないのです。」〈地上人類への最高の福音〉P.184
(3)地上世界の悲劇の根本原因――霊的無知・物質中心主義・利己主義
1)地上人類の霊的無知
2)物質中心主義と利己主義の支配
3)使命を果たさなかった地上の宗教
4)地球上に蔓延する6つの悲劇・不幸(地球上の悲劇の全体像)
「あらゆる問題を煮つめれば、その原因はたった一つの事実を知らないことに帰着するのです。すなわち、人間は本来が霊的存在であり、大霊からの遺産(神性)を受け継いでいるが故に、生まれながらにして幾つかの権利を有しているということです。」〈地上人類への最高の福音P.66~67〉
「大半の人間は、地上だけが人間の住む世界だと考えております。現在の生活が人間生活のすべてであると思い込み、そこで物的なものを、いずれは残して死んで行かねばならないものなのに、せっせと蓄積しようとします。戦争・流血・悲劇・病気の数々も、元はといえば、人間が今この時点において立派に霊的存在であること、つまり人間は肉体のみの存在ではないという生命の神秘を知らない人が多すぎるからです。」〈古代霊シルバーバーチ不滅の真理〉P.172